2012年8月14日火曜日

書評『一勝九敗』、『成功は一日で捨て去れ』柳井正

山口県の紳士服販売店から始まり、直近では連結売上高8千億円超・経常利益1千億円超の企業に成長、2020年には売上高5兆円・経常利益1兆円を目標に掲げるファーストリテイリング。
この2冊を読めば同社の軌跡や柳井社長の経営哲学を理解できる。

経営者・リーダーとしての力強い言葉に満ちていてとても刺激的な内容となっている。
また革新的なイメージが強い同社も大企業病と戦っている内実などが垣間見えて面白いが、ここでは“失敗”に対する考え方について紹介したい。

『一勝九敗』という題名は、FRの歴史は失敗の連続で、それに学んで現在の姿を築き上げてきたことを表しているように読める。
しかし、さすがに勝率10%では企業の存続は危ういようにも思える。では『一勝九敗』は何を意味しているのだろうか?

それは、失敗への感度が高い、ということだと考えた。
つまり、失敗と認識する程度が小さく、認識するタイミングも早いということではないか。
他の企業・人が失敗と捉えていないレベルにおいても、著者は失敗と認識し、原因を見極め軌道修正を図っている。
そのような厳しい態度を、『一勝九敗』という一言が象徴しているように思う。

また、“失敗の質”という概念も面白い。
著者は良い失敗を、失敗の原因が明確で対策を打てば成功につながるものと定義している。
何かに挑戦する限り失敗は避けて通れない。減点主義が幅を利かす日本では、失敗にはネガティブなイメージが付きまとうように思う
質の高い失敗をポジティブに歓迎する態度が、挑戦をし易くする。そしてより多くの挑戦が新たな創造を生み出す。

そんな社会になったら、そんな生き方ができたらどんなに素晴らしいだろう。

最後に、最も心に響いた一節を。
“チャレンジがない仕事は仕事ではありません。チャレンジがない人生は人生ではありません”

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