2012年6月20日水曜日

書評『福翁自伝』福沢諭吉

自伝の面白さは他人の人生を追体験できる点にある。
行動から垣間見えるその人の考え方や、困難に直面した時の対処法など、様々な切り口から人生を学ぶ事ができる。

本書は福沢諭吉の自伝。
幾つも自伝を読んできたが、これは最も面白い部類に入る一冊。もちろん、慶應の出身者でなくても楽しめます。

幼少時代から始まって、長崎、大阪、江戸での生活、欧米への渡航、慶應義塾創設等々、半生を綴る。
江戸末期から明治にかけての動乱の時代を飄々と生きる姿・思考は自由人そのもので、窮屈な人生を生きる自分には目を開かれる思いがした。

必読は適塾(緒方洪庵)での勉強風景。


枕をして眠った記憶が無いと回顧するほどに、塾生は皆寝食を忘れて書を読み、眠くなったら適当に寝て、起きてはまた書を読むという生活を送る。

学ぶ、とはこういう事なのか。蘭学という未知に等しい学問への取り組みにはそれだけのハードワークが必要だったのだ。

日本の大学生は海外と比べて圧倒的に勉強時間が少ないとの調査結果がある。
ただ学生が怠惰なのだろうか?
半分は正解かもしれないが、学びの必要性を伝えられていない事の方がより大きな問題と思う。

なぜ学ぶか+どう学ぶかを示した上で、何を学ぶかを子供に選ばせる。
この程度の義務すらも果たしていない事を、大人は恥じないといけないのだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿