2012年5月17日木曜日

書評『大震災の後で人生について語るということ』橘玲



どう生きるか、とは常に考えなければならないテーマだが、日々の目先の仕事・生活に忙殺されるとつい優先度が下がってしまいがち
そんな怠惰な自分にとって、本書は考える良いきっかけを与えてくれる。

著者の本はどれも、個人として人生をどう生き抜くか、という思想が一貫していて、好きだ。

こちらは題名の通り、昨年の大震災を踏まえた人生設計を問う。
約すると、前段にて以下の4つの神話への問題提起。(正確には、神話は崩壊したと言い切っている)

①不動産神話:不動産は上がり続ける。持ち家は賃貸よりも得か?
②会社神話:会社は潰れない。大企業での終身雇用を目指すキャリアは今後も有効か?
③円神話:円が最も安全な資産。円資産の保有・運用が今後も安心か?
④国家神話:国家は破綻しない。定年後は年金で暮らす想定は今後も有効か?

後段は人生設計の提言。骨子は専門性獲得の為の人的資本投資と、金融資本投資。

確かに、昨年の大震災は規模と影響において未曾有の大災害である事は疑いない。
しかし、阪神淡路大震災から20年足らず、敗戦からもたかだか70年足らずである事を思えば、あの規模の出来事が今後の人生で起きないと想定する事がいかに高リスクかがわかる。

個人的には、「流動性」が人生のリスク管理の鍵だと考えている。つまり、

①キャリアの流動性:特定の会社に依存しない為のスキル
②資産の流動性:固定資産(家)ではなく、流動資産(投信等)を重視
③思考の流動性:変化に対応できる柔軟な思考回路

リスクに先回りして対応するための日頃の行動だけが自分、そして家族の幸せを守るのだろう。

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